帯状疱疹の話をするよ
2023.08.09
こんにちは。はまさきクリニック 院長のはまさきです。
関節リウマチ以外にも一般内科診療もしています。
婦人科は副院長の女性医師が担当しています(ここまでPR)。
8月7日のFM大分ハイカラ食堂(19:00~)にゲストとして
お話させて頂きました。
8月10日 17:00までストリーミング放送で聴けるようです。
その日、帯状疱疹ワクチンを打ったばかりだったので
帯状疱疹ワクチンのお話をしました。
帯状疱疹自体はそんなに珍しい病気ではないです。
体力が低下したり、加齢や強いストレスにさらされて
免疫力が低下した際に発症することが多いです。
皆さん、水疱瘡(みずぼうそう)にかかったことありますか?
ぼくはあります。確か幼稚園か小1のときだったかな。
では帯状疱疹は?外来で意外と遭遇することが多い疾患です。
帯状疱疹になった方は皆さん、大変だったよーといわれます。
帯状疱疹はあの"みずぼうそう"のウイルスが原因です。
成人の90%以上はすでに帯状疱疹の原因となるウイルスが
体内に潜んでいるそうです。
帯状疱疹は50歳以上で発症しやすく80歳までに3人に1人!
がかかるとされています。
一度かかった方でも再発することも少なくありません。
帯状疱疹はワクチンを接種することで予防が可能です。
帯状疱疹ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがあります。
生ワクチンはウイルスの毒性を弱め病原性をなくしたものです。
ウイルスとしての性質はもっているので免疫力の低下した方や、
免疫抑制薬や生物学的製剤など免疫に関わる薬を使用している
患者さんには生ワクチンは投与できないのです。
生ワクチンは1回の接種で5年間に半数強の方の発症予防が
できますが、不活化ワクチンでは約10年間で9割以上の方の
帯状疱疹発症予防ができるようになりました。
今回接種したのは、その不活化ワクチンと呼ばれるものです。
シングリックスといいます。
日本では2020年にシングリックスが接種可能となりました。
このワクチンは病原性をなくしたものを材料としています。
これだと免疫が低下した方でも安全に投与できます。
1回の接種では十分な免疫を獲得することができないので、
2ヶ月以降から半年までの間にに2回目を打つことで、
帯状疱疹予防に必要な免疫力をつけることができます。
関節リウマチなどの基礎疾患をもっている若い患者さんで
ときおり帯状疱疹にかかる方もいらっしゃるのですが、
帯状疱疹ワクチンはこれまでは50歳以上という年齢制限が
あったため、ワクチンを接種することが難しい状態でした。
ワクチン接種の適応年齢から外れる方に接種すると、
ワクチン救済制度という条件から外れてしまうのですね。
それが今年2023年6月、発症リスクが高い18歳以上という
適応拡大がなされたので18歳以上の必要な方にワクチンを
接種することができるようになりました。
費用面では、生ワクチンが1回だけでおよそ8000円前後です。
一方、不活化ワクチンのシングリックスは1回2万円~3万円!
高額です。しかも2回打つので合計が4-5万円かかります。
でも実際に帯状疱疹にかかるとお薬の値段も高いんですよ。
それにひどい帯状疱疹だと入院が必要になることもあります。
帯状疱疹後神経痛という慢性痛で通院するリスクを考えると
少なくとも今後10年は9割以上で予防できるんだったら
打ってたほうがいいのかな、と個人的には思っています。
僕がいま使っているiPadも44000円で購入したんですけど、
10年使えるか、っていわれたらもたないですし。
そう考えると10年は効果が持続するワクチンって
結構コスパは高い気がします。
帯状疱疹の予防接種費用の個人負担を軽減するために
助成金を導入している自治体もありますので、
詳しくはお問い合わせ頂ければと思います。