ブログ

2023年04月のブログ記事一覧Blog

マンジャロの勉強会

2023.04.24

新規糖尿病治療薬マンジャロ®を導入する患者さんがいらしたので、この薬剤について知識を共有するためにスタッフ勉強会を行いました。

こんなデバイスを用いて自己注射指導をします。

マンジャロってなんじゃろ

マンジャロ®(一般名:チルゼパチド)は週1回皮下注射する糖尿病治療薬です。

2023年4月18日(先週!)から日本で発売されました。

週1回の皮下注射製剤の糖尿病治療薬にはトルリシティ(一般名:デュラグルチド)というものが既にあります。トルリシティはGLP-1受動態作動薬です。消化管ホルモンに作用すると思って下さい。

トルリシティとの違いとして、マンジャロはGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体だけでなく、GIP(グルコース依存性インスリン分泌促進ポリペプチド)受容体にも結合することで相乗的に作用し、GLP-1受容体の単剤投与よりも大きな血糖改善作用と体重減少効果が期待できるようです。半減期は約5日間です。ふーん。

食欲が減退するの?

マンジャロの副作用には消化器症状が多く記載されています。

以前GLP-1製剤を使用していた糖尿病患者さんで、血糖改善効果はすごくよかったのに、食欲が落ちたり、お腹が張った感じという消化器症状でやむなくトルリシティを中止せざるを得なかった方がいましたが、今回の薬剤はそれを逆手にとったような印象です。そりゃ食べてる量が減らないとなかなか痩せたりしませんよね。なので、糖尿病治療薬ではありますが、食事摂取量が低下することによる血糖改善を考慮すると、高度肥満を有する2型糖尿病患者さんがよい適応になるのではと思います。

なぜマンジャロって言うんじゃろ

ところで、なぜマンジャロという名前なんでしょうね?フランス語のmangerが「食べる」という意味だからかなー?とか思ってましたが、マンジャロの英語表記はmounjaroなんですね。なぜmounjaroなのか、wikipediaにも載ってませんでした。ご存知の方は今度こっそり教えてください。

しっかり効いてくれるといいです。

ジカンタイヨヤク?

2023.04.24

こんにちは。はまさきクリニックで内科担当の院長です。

患者さんから「ここは待ち時間が短くて助かるわー」というお声を頂戴します。
いやー患者さんが少ないんでですねー(ニッコリ)という気持ちは飲み込んでます。

珍しく混んでたりすると「え?ここは予約せんといけんの?」という声も頂きます。
いや、予約しなくても診察できますが、予約してたほうがスムーズですよ(本音)。

そこで今回は「当院がなぜ時間帯予約制を導入したのか」の話をしましょう。

ぼく自身が待つのが超絶苦手なので、患者さんも待ちたくないだろな、と思いまして。
興味なくても読んでください(めちゃ長文です)。

クリニックの外来は「順番予約」か「時間予約」が二大勢力

順番予約というのは、文字通り来た順から診察をします。
順番予約の最大の利点は、早い者勝ちです。
朝一番をゲットするため受付時間前に並んだりするアレです。
順番予約して一旦帰宅されたりする人も出現します。
素直に受付時間内に来院された方は待たされるため不満が出ます。
急いで受診したくても、すぐに診てもらえない欠点があります。
キャンセルが出ると、思ってたより順番が大幅に早まったりします。
順番予約は時間が読めません。呼ばれるまでひたすら待つのみ。
順番予約は順番が公平ということ以外にあまり利点がありません。
時間予約というのは、何時何分からの予約です、ってやつです。
急患とか入ってくると、経験的に予約時間守れる気がしないです。

しっかり診察するためにもある程度の時間のふれ幅が必要なんです。

じゃあ、時間「帯」予約って何がいいの?

当院は時間帯予約です。この「帯」という字が重要なんです。
10時に予約した場合、10時から10時半の30分間で予約されます。
これは10時から診察をするということではありません。
10時からの30分間に決まった人数を診察するということです。
30分の枠の中では受付をした順で診察をしていきます。
10時から診るわけではないということをご理解願います。
時間帯予約のメリットは、診察時間の目安ができることです。

順番予約だと、急ぎの診察でもリストの最後にまわされますよね。
時間帯予約では10時枠がいっぱいでも、次の枠に余裕があれば
「10時半から11時に来てください」とご案内することができます。

時間帯予約 活用法

時間帯予約のメリットを最大に発揮させるためにお願いがあります。
予約時間よりあまりに早く来ていただくことはお勧めしません。
早くても予約時間の10分前くらいから受付して頂ければ十分です。

例えば10時からの予約の方が、早めの9時半に受付したとします。

通常はあらかじめ9時半-10時枠に予約した人を先に診察してます。

9時半からの枠に余裕があるときは、早めに診察できるのですけど。

ですので、せっかく早く来たのに予約通りの時間になりがちです。
ある程度臨機応変に対応して、急患さんを先に診察することもあります。
できるだけ予約した時間帯で患者さんへお声掛けできるよう調整してます。

自分より後に来た人が先に診察されるのは良い気持ちしないですよね。

早すぎる来院、遅すぎる来院を避けて受診されてください。

外来で極力待たずにスムーズに受診して頂くために

昨今の感染症の流行のため、密になることを避ける工夫が必要となっています。
それでも時間帯によっては患者さんが集中することがあります。
受付してからお呼びするまでの時間は平均5分から15分程度です(現在)。

「今日は急いでいるので早めに診てほしい」とおっしゃる方もいますよね。
申し出には最大限考慮いたしますが、なかなか調整が難しいときもあります。
予約しててもある程度待つかもと、余裕をもって受診して頂けるとありがたいです。
患者さんが増えても、0分から30分程度の間にお呼びすることができると思います。
待ち時間をできるだけ少なくするために、皆様のご協力をお願い致します。

「外来があふれかえっちゃって大変ですよー」なんて日が来るのかなーとか
スタッフと話しながらほのぼの外来やっていますので、
何かお困りや気になる症状があればご相談ください。

隣の公園の新緑がまばゆいです。

ラジオに出たのよ

2023.04.13

こんにちは。はまさきクリニック内科担当の院長です。

ホームページ見てるわよー、って患者さんが来院してくれました。
もっとブログとか更新しなきゃダメよ!!って言われました。

最近ホームページもブログも更新してなくてすみませんでした。
それなりの強制力をもってやらないとだめですね。

突然ですが皆さん、最近ラジオ聴いてます?FM放送。
今回FM大分の、夜7時からのハイカラ食堂というラジオ番組に
4月10日にゲスト出演させて頂きました。

実は開業前の11月と、開業後の1月にも番組に呼んで頂いてて。
今回が3回目になります。

何回目でもやっぱり緊張しますね。
病院が苦手な患者さんが診察室に入るときもこんなですかね。

僕は中学生の頃からFM放送聴くのがが好きで。
大分に民放FMがなかったので、もっぱらNHK-FMを聴いてました。

クロスオーバーイレブンという23時からの番組が当時よく聴いてて。
好きな音楽とかをメタルテープなどに録音していたんですよ。
あの独特の空気感がよかったです(遠い目)。
クロムテープとかエアチェック、知らない方はググってみてください。

そんなFM放送も、勤務医になってからはすっかり聴かなくなってました。
ですが今は、radikoっていうアプリで日本中の番組が聴けるんです。
しかも聞き逃した番組もあとから何度でも再生できるという。

radikoで実際に放送聴いてみたんですが。自分の声…スカスカですね。

パーソナリティの方の表現力ってすごいなー、と実感しました。

https://radiko.jp/share/?sid=FM_OITA&t=20230410190000

で明日の14日まで聴けるっぽいです。

興味ある方はおそるおそる聴いてみてください。

「マイナ受付」始めました。

2023.04.08

当院では4月から、マイナンバーカードによる健康保険証利用(マイナ受付)ができるようになりました。

マイナ受付とは、受付に設置したカードリーダーにマイナンバーカードを差し込み、顔認証 または 暗証番号認証 で本人確認を行うと、健康保険証として利用できるシステムです。


利用するにはマイナンバーカードでの健康保険証利用の申込を予めしておく必要があります。利用申請から処理完了まで多少時間がかかりますので、受診前までに"こちら"から手続きをお済ませになられるとよいかと思われます。
もちろんマイナンバーカードをお持ちでなくても、今まで通りの健康保険証で保険診療は可能です。

保険者側(市町村・健康組合等)の都合で保険資格変更が遅れた際には、オンラインでの資格が確認できないことがあります。そのため、必ず通常の健康保険証・高齢受給者証等も一緒にお持ちください

マイナ受付は、本人によるカード内の利用者証明用電子証明書を利用したシステムです。マイナンバー(12桁の個人番号)自体の読取・利用・記録は一切いたしません。カードもお預かりいたしません(ご本人に操作していただきます)のでご安心ください。

詳しくはこちらの厚生労働省の説明をご覧ください。


当院は診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供に努めていきます。正確な診療情報を取得・活用するため、マイナ保険証のご利用をぜひご検討ください。

伝えることって大事だなー。

2023.04.07

こんにちは。はまさきクリニック内科担当の院長です。
ひさびさのブログ更新です。早いもので開業して4ヶ月経過しました。クリニックの隣の公園の桜が満開できれいだな~と思っていたら、もう葉桜です。そろそろさぼっていたブログも更新していきますね。

クリニックをオープンして4ヶ月。内科を受診される患者さんは関節リウマチの方だけでなく、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの内科疾患から、寒冷刺激で指先の色が変わるレイノー症状や、原因不明の息苦しさといったものまで症状は多岐に渡ります。やはり専門とする膠原病リウマチ患者さんが多いので、男女比だと1:9くらいで女性が多い印象です。更年期症候群の一環としての関節症状も鑑別となるため、女性から病歴を聴取する際には閉経の有無や、妊娠出産歴をお伺いすることがあります。その際、しばらく婦人科の定期健診は受けてないわ、とおっしゃる方が意外と多いのです。

先日、これまで婦人科は受診したことがないという、生理不順のリウマチ患者さんに婦人科を受診を勧めて、副院長に診察してもらいました。

また、年頃の娘さんのいらっしゃる患者さんからは、当院が子宮頚がんワクチンの公費接種に対応しているとは思ってもなかったわと、ご指摘を受けました。そこでさっそく婦人科でワクチン接種について対応してもらいました。こんなとき、婦人科から専門的アドバイスが受けられるので、いち内科医としては本当に助かります。

いくら素晴らしいものを作っても、伝えなければないのと同じ、と先日うちのスティーブジョブスが言ってました。患者さんに治療内容を説明して、伝わったと思っていても実はそれが「伝えているつもり」になっていることがよくあります。関節リウマチなども日進月歩で新しい治療薬が開発されています。一つの薬が、その人の人生を変える可能性があるので、常に知識をアップデートして、伝えきる力をつけていく必要があるなーと痛感しています。

これからもクリニックや医療のことだったり、興味を引いた本のことなど、身の回りのことについてもお知らせしていきますので、よろしくお願いします。

子宮頚がんワクチンについて_その2

2023.04.03

実際のワクチン接種については以下のようなスケジュールとなっています。

なぜ10代の女性にワクチン接種が推奨されているの?

ではなぜ10代の女性にワクチン接種が推奨されているのかというと、ワクチンが「HPVの新たな感染を予防するためのもの」だからです。HPVは主に性交渉によって感染するので、性交渉が未経験のうちにワクチン接種を終えておくことで、ワクチンの効果が最も期待できます。ワクチンには、発症してしまったHPV関連疾患の進行を止めたり、すでに感染してしまったHPVを排除する効果はありません。一方で、すでに何らかのHPVを有している人でも、ワクチンを接種することによって別のタイプのHPVの感染を予防することは可能です。そこでキャッチアップ接種というかたちでワクチン接種をすることにも十分な意義があります。

厚生労働省のホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html

にもHPVワクチンについて詳しく記載されていますので、ご参照ください。

すでに1回目、2回目の接種を2価や4価ワクチンでおこなった方からも、3回目接種をシルガード9®︎へ変更可能かとのお問い合わせも頂戴しています。HPVワクチンの接種時期や回数、副反応に関することなど相談されたい方へは個別に対応しておりますので、遠慮なく、はまさきクリニック までご連絡下さい。

当院ではガーダシル®︎(4価)とシルガード9®︎(9価)を取り扱っております。接種をご希望の方はお電話でのご予約をお願いいたします。

子宮頚がんワクチンについて_その1

2023.04.03

こんにちは。はまさきクリニック 副院長の濵﨑智恵子です。

2023年4月1日より、9価のHPVワクチン(シルガード9®︎)が公費接種の対象となりました。

そこで今回は子宮頚がんワクチンについてお話しします。

これまではサーバリックス®︎(2価)、ガーダシル®︎(4価)のみが公費接種の対象でしたが、今回シルガード9®︎(9価)も公費で接種できるようになりました。

子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)の公費接種について

小学校6年生から高校1年生相当の女の子は定期接種の対象ですので、HPVワクチンを無料で接種することができます。

また接種の機会を逃してしまった平成9年度(1997年4月2日)生まれから平成19年度(2008年4月1日)生まれまでの女性はキャッチアップ接種の対象となり、HPVワクチンを公費で接種できます。こちらは令和4年4月から令和7年(2025年)3月末までの期間限定です。

キャッチアップ接種の方が公費で接種を完了するには、2024年9月末までに1回目の接種が必要です。

2価と4価と9価のワクチンってどう違うの?

子宮頚がんの原因ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV)は80%の女性が一度は感染するとされるウイルスです。HPVには多くの型があり、がんの原因となる種類は"ハイリスク型"として知られています。日本では子宮頚がんの原因ウイルスのおよそ6-7割を占めるものが16/18型といわれており、この2つの型に対しては2価、4価のワクチンで予防効果の差はないとされています。一方、4価ワクチンだと尖圭コンジローマの原因となるHPV6/11型に対しても感染予防効果があります。

今回公費接種の対象となった9価ワクチンは、4価ワクチンで予防できる6/11/16/18の4つの型に加え、31/33/45/52/58の5種のHPV型に対しても感染予防効果があります。4+5=9ということですね。これまでの2価、4価ワクチンでは子宮頚がん予防効果が60-70%だったのに対して、9価ワクチンであるシルガード9®︎は90%以上の予防効果をもつことが期待できます。

また、シルガード9®︎は11歳から14歳までの女の子では5ヶ月の以上(標準では6ヶ月)の間隔を空けての2回接種でも十分な効果があるため、2回接種が可能となっております。注射の回数は少ない方がうれしいですよね。

もちろん、ワクチンで子宮頚がんを100%予防できるわけではありませんので、定期的な子宮頚がん検診はがんの早期発見・早期治療のためにとても大切です。