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子宮頚がんワクチンについて_その1

2023.04.03

こんにちは。はまさきクリニック 副院長の濵﨑智恵子です。

2023年4月1日より、9価のHPVワクチン(シルガード9®︎)が公費接種の対象となりました。

そこで今回は子宮頚がんワクチンについてお話しします。

これまではサーバリックス®︎(2価)、ガーダシル®︎(4価)のみが公費接種の対象でしたが、今回シルガード9®︎(9価)も公費で接種できるようになりました。

子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)の公費接種について

小学校6年生から高校1年生相当の女の子は定期接種の対象ですので、HPVワクチンを無料で接種することができます。

また接種の機会を逃してしまった平成9年度(1997年4月2日)生まれから平成19年度(2008年4月1日)生まれまでの女性はキャッチアップ接種の対象となり、HPVワクチンを公費で接種できます。こちらは令和4年4月から令和7年(2025年)3月末までの期間限定です。

キャッチアップ接種の方が公費で接種を完了するには、2024年9月末までに1回目の接種が必要です。

2価と4価と9価のワクチンってどう違うの?

子宮頚がんの原因ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV)は80%の女性が一度は感染するとされるウイルスです。HPVには多くの型があり、がんの原因となる種類は"ハイリスク型"として知られています。日本では子宮頚がんの原因ウイルスのおよそ6-7割を占めるものが16/18型といわれており、この2つの型に対しては2価、4価のワクチンで予防効果の差はないとされています。一方、4価ワクチンだと尖圭コンジローマの原因となるHPV6/11型に対しても感染予防効果があります。

今回公費接種の対象となった9価ワクチンは、4価ワクチンで予防できる6/11/16/18の4つの型に加え、31/33/45/52/58の5種のHPV型に対しても感染予防効果があります。4+5=9ということですね。これまでの2価、4価ワクチンでは子宮頚がん予防効果が60-70%だったのに対して、9価ワクチンであるシルガード9®︎は90%以上の予防効果をもつことが期待できます。

また、シルガード9®︎は11歳から14歳までの女の子では5ヶ月の以上(標準では6ヶ月)の間隔を空けての2回接種でも十分な効果があるため、2回接種が可能となっております。注射の回数は少ない方がうれしいですよね。

もちろん、ワクチンで子宮頚がんを100%予防できるわけではありませんので、定期的な子宮頚がん検診はがんの早期発見・早期治療のためにとても大切です。